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渡辺義見教授と佐藤尚准教授の研究グループが、令和 4 年度軽金属論文賞を受賞しました。

2022年11月15日掲載


受賞者
渡辺義見教授,菅野浩行(元大学院生),知場三周(元助教),佐藤尚准教授,他2名
受賞者の関連サイト
渡辺・佐藤研究室
関連するウェブサイト
軽金属学会

論文名:TiC ヘテロ凝固核粒子添加による工業用純アルミニウム積層造形体の組織微細化

(軽金属 第 72 5 (2022), 198-205)

授賞内容:本論文は,レーザ式粉末床溶融結合法により造形した工業用純アルミニウム積層造形体の組織や硬さに及ぼす TiC ヘテロ凝固核粒子添加の影響を調査したものである。TiC 粒子を 0.1vol%添加することにより造形体の空孔率は 1%以下となり,また,添加する TiC 粒子の増加に伴い造形体組織が微細化した。造形体中の TiC 粒子体積分率の増加に伴い硬さが向上したが,TiC 粒子を添加しても結晶粒径が変化しない放電プラズマ焼結体との比較により,TiC 粒子は複合強化粒子としてよりも,ヘテロ凝固を通した結晶粒微細化により硬さ増加に寄与したと結論した。

これらの結果は,積層造形においてヘテロ凝固核粒子を添加すれば,結晶粒微細化による強度向上をもたらすのみならず,凝固現象が均一に発生することを通して,造形性向上も図ることが可能であることを示した。ヘテロ凝固という物理現象を利用しているため,装置や材料系に依存しない普遍的な積層造形体の組織制御法であり,今後の学術的・工業的な発展性が期待される。以上の理由により,軽金属論文賞を授賞した。

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