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片山耕大准教授と古谷祐詞准教授の研究グループの国際共著論文がJournal of Molecular Biology誌に掲載されました

Research

研究・産学官連携

2025年12月 8日掲載


スイスにおける自然科学と工学分野で最大の研究所であるパウル・シェラー研究所(Paul Scherrer Institute, PSI)のValérie Panneels博士とGebhard Schertler教授との国際共著論文が生物物理学および構造生物学の分野でQ1ジャーナルであるJournal of Molecular Biology誌に掲載されました。Panneels博士とSchertler教授は2023年に名古屋工業大学を訪問され、Panneels博士にはフロンティア科学特別講究としてのセミナー(No. 85. The first step of vision: time-resolved structures of ultrafast mammalian rhodopsin catched with an XFEL)を行っていただきました。

Panneels博士とSchertler教授は、視覚の最初のイベントであるレチナールの光異性化過程を実時間で捉えた研究を2023年にNature誌に報告しました。次なる研究目標として、情報伝達を行うために必要となる活性化に伴う構造変化について、赤外分光法を使った共同研究を行ってきました。光反応を防ぐために暗室での作業が必要となる困難な実験でしたが、本学生命・応用化学類の片山研究室に所属する博士後期課程の学生・水野陽介さんによって成し遂げられました。その結果、結晶中においてもロドプシンはMeta IIaと呼ばれる情報伝達直前に形成される活性中間体までは反応が進むことを明らかにしました。

本研究は、水野陽介さんとPanneels博士を筆頭著者とし、片山耕大准教授と古谷祐詞准教授が共同責任著者として発表されたものです。

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暗室でのロドプシン結晶の操作

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左:水野陽介さん、右:Valérie Panneels博士

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研究開始時の集合写真(左から水野陽介さん、古谷祐詞准教授、Valérie Panneels博士、片山耕大准教授)

論文情報

<発表雑誌>  Journal of Molecular Biology
<掲載論文>  Light-induced FTIR Spectroscopy of Visual Rhodopsin Microcrystals Grown in Lipidic Cubic Phase
<著者名>   Yosuke Mizuno , Valérie Panneels , Yuji Furutani , Gebhard F.X. Schertler , Hideki Kandori , Kota Katayama
<DOI>    10.1016/j.jmb.2025.169487
<URL>    https://doi.org/10.1016/j.jmb.2025.169487

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この情報は研究支援課が提供しています。