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工学専攻の水鳥 律さん、工学専攻生命・応用化学系プログラムの杉浦 勇也さん、山下 陽さんが第61回⽇本⽣物物理学会年会 日本生物物理学会学生発表賞を受賞しました。

2024年01月19日掲載


受賞者

工学専攻

 水鳥 律

工学専攻生命・応用化学系プログラム

 杉浦 勇也

 山下 陽

神取 秀樹研究室

受賞名 

第61回⽇本⽣物物理学会年会 日本生物物理学会学生発表賞

第61回⽇本⽣物物理学会年会

受賞の内容

水鳥 律「ウイルスヘリオロドプシンV2HeR3のプロトン輸送メカニズム解明に向けたFTIR研究」

ヘリオロドプシンとは2018年に発見された新たな光受容膜タンパク質ファミリーです。その中で初めて機能が同定されたタンパク質が、円石藻ウイルスの遺伝子にあるV2HeR3であり、細胞内外の水素イオンを輸送する機能をもっています。本研究では赤外分光法を用い、V2HeR3が光を用いて水素イオンを輸送する仕組みの一端を明らかにしました。特に191番目のグルタミン酸がプロトン化していることが、輸送するために重要であると発見しました。

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杉浦 勇也「M2ムスカリン受容体 (M2R) 活性化のための機能的ホットスポット残基を特定」

アセチルコリン受容体は、薬剤の結合により細胞内へシグナル伝達する膜タンパク質であり、私たちの生体機能を制御しています。本研究では、独自の赤外分光法を活用することで、部分特異的変異タンパク質の構造ダイナミクスや、内部に結合する薬剤の結合様式を特定し、薬剤活性の制御に寄与する重要なアミノ酸を明らかにしました。本成果は、アセチルコリン受容体を標的とした副作用の少ない新たな薬剤設計を提唱できると期待されます。

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山下 陽「光高感度なチャネルロドプシンの分光学的解析」

光スイッチ型イオンチャネル「チャネルロドプシン」は、失明者の網膜に導入して視覚を再建する技術ツールとして注目されています。このうちGtCCR4は、標準ツールの約48倍、光への応答性が高く、これまで不可能であった曇天などの弱光での視覚再生への応用が期待されています。本研究では、高い光応答性をもたらす分子機構を明らかにするべく、分光・電気生理解析に取り組みました。その結果、GtCCR4は、イオンチャネル機能を発揮する中間体の蓄積に有利な反応サイクルを持つことがわかりました。

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今後の抱負

水鳥 律さん 

この度は第61回日本生物物理学会年会より学生発表賞を賜りましたこと、大変光栄に存じます。ご指導・ご鞭撻を賜った先生方をはじめ、研究室のメンバー、関係者の方々に深く感謝を申しあげます。今後は、V2HeR3のさらなる分子メカニズムの解明だけでなく、ウイルスと光の関係から「ウイルスは生命なのか」という根源的な問いにも挑戦し、日本の研究の発展に貢献できるよう、よりいっそう研究活動に励む所存です。

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杉浦 勇也さん

本会のような大規模な学会で、このような賞を頂くことができて大変光栄に思います。本研究が評価されたことで、薬剤研究に対する赤外分光法の魅力を数多くの方々に感じて頂けたと思います。また今回の受賞は、指導教員である片山耕大准教授をはじめ、研究室の皆様のお力添えが無ければ達成し得なかったと思います。心から感謝申し上げます。本受賞の喜びを噛みしめるとともに、より一層研究に邁進してまいります。

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山下 陽さん

このような賞を頂き、大変光栄に存じます。今回の受賞は、神取秀樹特別教授をはじめとした研究室の皆さんのご支援のおかげであり、感謝の思いでいっぱいです。当学会では、研究内容について多くの方々からのご助言を頂くことができ、今後の糧となる有意義な時間を過ごすことができました。受賞を励みに、より一層研究活動に邁進し、研究分野のさらなる発展に貢献したいです。

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