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光で複雑流体の構造と流動を解明する可視化科学

身の回りに存在するさまざまな複雑流体(生体液、界面活性剤溶液、高分子溶液、液晶)の性質と流れ方を、流体力学と光学を組み合わせた視点から研究しています。これらの複雑流体では、目に見えない力や分子の並び方が流れやすさを左右しており、例えば洗剤では、成分が集まってミセルという構造を作り、それが流れの性質に影響を与えます。そこで、その状態を非侵襲的に捉えるために光センシング技術に着目し、偏光(サングラスなどに用いられる光)を利用して流れの中での分子の並び方を可視化し、力との関係を調べる手法を確立しました。また、不妊治療に関係する生体液(卵胞液)を対象に、微量でも粘りや伸びやすさを測定できる装置を開発しました。さらに、脳血管障害の理解や診断への応用を目指し、血管と血液の相互作用を模擬実験で再現し、偏光から内部の力を推定する技術を開発しました。これらの成果は、液晶やDNAなどの構造解析に加え、将来、体に負担の少ない診断技術にも貢献することが期待されます。

電気・機械工学類|助教

武藤 真和(ムトウ マサカズ)

MUTO Masakazu

3 すべての人に健康と福祉を
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
17 パートナーシップ目標を達成しよう

キーワード

流体力学
光学
光センシング
複雑流体
医工学

担当分野・プログラム

研究区分

流体工学、熱工学
ナノマイクロ科学
人間医工学
高分子、有機材料
機械力学、ロボティクス

研究テーマ

  • 流動複屈折計測法による複雑流体の内部構造と応力の関係解明
  • 光レオロジー計測法による生体液の内部構造可視化とレオロジー特性評価
  • 固–液複屈折計測法による血管および血液の応力相互作用の可視化
  • ステント引き抜き時の模擬血管内応力場の可視化に向けた高速度光弾性計測システムの開発

メッセージ

血液や体液といった身近な「流れるもの」を、それに触れずに光で「可視化(見える化)」する技術の開発に取り組んでいます。こうした可視化技術の開発には、数学や物理、化学をはじめ、光学や流体力学、材料力学など、さまざまな分野の知識が必要であり、分野を越えて考える面白さがあります。血管疾患は日本人の主要な死因の一つであり、その理解や早期発見はとても重要です。目に見えない力の働きや分子の並び方を可視化することで、血液の流れを実験的に調べることができ、病気の仕組みの解明や診断につながることが期待されます。こうした研究を通じて、人々が安心して暮らせる社会に貢献したいと考えています。