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神取・片山研究室 博士前期課程2年の 犬飼 紫乃 氏の研究成果が Journal of Biological Chemistry誌の Cover Art に選ばれました。

Research

研究・産学官連携

2023年6月27日掲載


 神取・片山研究室博士前期課程2年の犬飼紫乃氏、片山耕大 准教授、神取秀樹 特別教授、および大阪公立大学大学院理学研究科の寺北明久 教授、小柳光正 教授らの研究グループによる研究論文「Investigating the Mechanism of Photoisomerization in Jellyfish Rhodopsin with the Counterion at an Atypical Position」の内容が高く評価され、米国科学誌 Journal of Biological Chemistry7月号のCover artに選ばれました。

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 本研究では、高度に発達した目をもつハコクラゲが有するロドプシン(クラゲロドプシン)に対し、赤外分光とAIを活用した構造解析に取り組みました。その結果、クラゲロドプシンは原始的な無脊椎動物であるにも関わらず、哺乳類などの脊椎動物が有するロドプシンとよく似た光反応特性を示すことが明らかになりました。クラゲロドプシンが示す、脊椎動物ロドプシンと類似の光反応特性は、光吸収・反応機能に重要なアミノ酸残基(カウンターイオン)が、進化の過程でロドプシン中の特異な位置に移動したことによるものです。そして、カウンターイオンの位置が異なる3種(クラゲ:原始的な無脊椎動物(刺胞動物)、ウシ:脊椎動物、イカ:発達した無脊椎動物(軟体動物))のロドプシンで赤外スペクトルを比較することで、クラゲロドプシンが辿った分子進化を裏付ける構造変化情報を取得することに成功しました。本研究により、クラゲロドプシンの動作機構の一端が明らかになったことで、動物ロドプシンの分子進化の理解につながるだけでなく、クラゲロドプシンを新規光遺伝学ツールとして応用するための分子基盤の理解を促進することが期待されます。

学術雑誌

 Journal of Biological Chemistry

神取・片山研究室


この情報は研究支援課が提供しています。