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柴田研究室のSF5化合物の自壊型合成に関する研究が、Chemical Communications 誌の inside cover picture に掲載されました

2017年12月13日掲載


フッ素原子は全原子中最大の電気陰性度を有する原子であり、フッ素原子を1つ化合物に導入するだけで、電気的特性や脂溶性など様々な特性を変化させることが知られている。そのため、含フッ素化合物は、医・農薬品や材料の開発につながる重要な研究分野として研究が行われてきた。これまで、フッ素原子やトリフルオロメチル基 (CF3基) などのフルオロアルキル基が中心に研究されてきたが、近年フッ素と硫黄が連結したフッ素官能基に注目が集まっている。ペンタフルオロスルファニル基 (SF5基) は硫黄原子にフッ素が5つ連結したピラミッド型構造のフッ素官能基であり、電子求引性と嵩高さから、「スーパートリフルオロメチル基」と呼ばれている。構造自体は古くから知られていたが、実用的な合成方法が開発されたのは2000年代になってからである。私たちの研究グループを含め、国内外でSF5を有する化合物の実用的合成の開発研究が行われており、近年活発に研究が行われている。

現在最も実用的なAr-SF5基の合成は、アリール塩化テトラフルオロλ6サルファー (Ar-SF4Cl基) の塩素-フッ素交換反応による方法である。このフッ素化には、基質に応じて適切なフッ素化試薬を用いる必要があり、最適な試薬を見出すまでに多くの検討を必要とすることが課題であった。そのため、様々な基質に適用可能な、安価で取り扱いやすい方法が開発できれば、SF5に関する研究を一層発展させることが可能である。今回私たちの研究グループは、フッ素源を外部からではなく、反応基質であるAr-SF4Cl自身をフッ素源として、穏和かつ高収率でAr-SF5に変換する方法を開発することに成功した。

Ar-SF4Clに対し、0.5当量の炭酸銀を加え、室温100 ℃で攪拌することで、中程度以上の収率で目的のAr-SF5化合物が得られる。本手法は、電子供与性基、ハロゲンが結合したアリール基や、ピリジン-SF5の合成に適用可能である。また推定される反応機構について、本論文中で詳細に解析した結果を述べている。

chem commun 2017, 53,12738.jpg


柴田研究室

<掲載論文>

<inside cover picture> 



<発表雑誌>
雑誌名 :Chemical Communications
タイトル:Silver-induced self-immolative Cl-F exchange fluorination of arylsulfur chlorotetrafluorides : synthesis of arylsulfur pentafluorides
著者  :Cui, B.; Jia, S.; Tokunaga, E.; Saito, N.; Shibata, N.
論文情報:Chem. Commun. 2017, 53,12738-12741.
     DOI: 10.1039/C7CC07222H


この情報は研究支援課が提供しています。

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