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柴田研究室の研究成果が,Chemical Communications 誌のInside front coverに掲載されました

Research

研究・産学官連携

2018年6月11日掲載


研究論文「Asymmetric synthesis of α-trifluoromethoxy ketones with a tetrasubstituted α-stereogenic centre via the palladium-catalyzed decarboxylative allylic alkylation of allyl enol carbonates」が高評価され,Chemical Communications 201844巻のInside front coverを飾りました。

トリフルオロメトキシ(OCF3)基を持つ有機化合物は,高い電子求引性と脂溶性向上能から,新規医薬品の候補化合物として注目を集めています。しかし,このOCF3基をもつ化合物の合成は簡単ではなく,しかも光学活性化合物となれば,OCF3基が結合する炭素の不斉構築は非常に難しく,これまでに数例しか報告されておりません。

今回柴田研究室では,OCF3基を持つエノール誘導体を用い,パラジウム触媒と不斉配位子を作用させる「辻―トロスト型脱炭酸型アリル化反応」により,OCF3-カルボニル化合物の不斉合成に成功しました。この反応は,ジフルオロメトキシ(OCF2H)基をもつ光学活性化合物の合成にも適応できることから,これまで合成困難であった様々なOCF3およびOCF3基を持つ医薬品候補物質の創出に大いに有効であることが強く示唆されます。

                                                     

柴田研究室

受賞内容: Inside front cover

<掲載論文>

<発表雑誌>
雑誌名 :Chemical Communications
タイトル:Asymmetric synthesis of α-trifluoromethoxy ketones with a tetrasubstituted α-stereogenic centre via
      the palladium-catalyzed decarboxylative allylic alkylation of allyl enol carbonates

著  者:Hiroya Kondo, Mayaka Maeno, Kazuki Hirano, Norio Shibata
論文情報: DOI: 10.1039/C8CC03131B
     DOI: 10.1039/C8CC90238K Inside front cover


この情報は研究支援課が提供しています。