柴田研究室のアメリカ化学会に掲載した研究論文が「Supplementary Cover Art」に選ばれました。
2022年05月09日掲載
アメリカ化学会(ACS)の学術雑誌The Journal of Organic Chemistry.に掲載した柴田研究室の岩城健太郎 (当時,工学専攻創造工学プログラム,博士前期課程2年),丸野晃暉(当時,工学専攻生命・応用化学系プログラム,博士前期課程2年)らの研究論文「Ethynyl-SF4-Pyridines: Reagents for SF4-Alkynylation to Carbonyl Compounds」が高く評価され,「Supplementary Cover Art」に選ばれました(図1)。なお,この表紙は錬金術をイメージして作成されました。
(図1)
評価を受けた研究論文の内容は以下のようになります。超原子価硫黄にフッ素原子が4つ結合したテトラフルオロスルファニル構造は電子的特徴としてフッ素原子に起因した高い電子求引性および脂溶性を持ち,また構造的特徴として非共役な直線構造を示します。そのため医農薬品や機能性材料への応用が期待されていますが,その合成の難しさから報告例は極めて少ない状況です。今回柴田研究室の岩城君らは,末端アルキンを有する「Ethynyl-SF4-Pyridines」の開発に成功し,この「Ethynyl-SF4-Pyridines」が様々なカルボニル化合物と付加反応を首尾良く起こすことを見出しました。「Ethynyl-SF4-Pyridines」の開発は,テトラフルオロスルファニル構造を持つ材料や医薬品開発の強力なツールとして期待出来ます(図2)。
(図2)
<発表雑誌>
雑誌名:The Journal of Organic Chemistry.
タイトル:Ethynyl-SF4-Pyridines: Reagents for SF4-Alkynylation to Carbonyl Compounds
著者:Kentaro Iwaki, Koki Maruno, Osamu Nagata, and Norio Shibata
論文情報:DOI: 10.1021/acs.joc.2c00564
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