アメリカ化学会に掲載した柴田研究室の研究論文が「Supplementary Cover Art」に選ばれました。
2022年05月16日掲載
アメリカ化学会(ACS)の学術雑誌Organic Lettersに掲載した柴田研究室の岩城健太郎 (当時,工学専攻創造工学プログラム,博士前期課程2年),棚川一裕(当時,生命・応用化学専攻,博士前期課程2年),森 聡一朗 (工学専攻生命・応用化学系プログラム,博士前期課程2年)らの研究論文「Regioselective Synthesis of Pyridine-SF4-Methyl Ketones via Hydration of Pyridine-SF4-Alkynes」が高く評価され, Organic Lettersの24巻18号(5月13日掲載)の「Supplementary Cover Art」に選ばれました(図1)。
(図1)
評価を受けた研究論文の内容は以下のようになります。テトラフルオロスルファニル構造(SF4)は電子的特徴としてフッ素の大きな特徴である高い電子求引性および脂溶性を持ち,また構造的特徴として非共役な直線構造を示します。これらの特徴は従来の官能基にはない特徴であるために,新たな機能を持つ医農薬品や機能性材料への応用が期待されています。しかしながら,その合成の難しさから報告例は極めて少ない状況です。今回柴田研究室の岩城らは,SF4を含むアルキンの水和反応から「Pyridine-SF4-Methyl Ketones」の開発に成功し,この「Pyridine-SF4-Methyl Ketones」が還元やエステル化といった様々なカルボニル化合物の反応を首尾良く起こすことを見出しました。「Pyridine-SF4-Methyl Ketones」の開発は,テトラフルオロスルファニル構造を持つ材料や医薬品開発の強力なツールとして期待出来ます(図2)。
(図2)
<発表雑誌>
雑誌名:Organic Letters
タイトル:Regioselective Synthesis of Pyridine-SF4-Methyl Ketones via Hydration of Pyridine-SF4-Alkynes
著者:Kentaro Iwaki, Kazuhiro Tanagawa, Mori Soichiro, Yuji Sumii, Osamu Nagata, and Norio Shibata
論文情報:DOI: 10.1021/acs.orglett..2c00998
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