柴田研究室のACSに掲載した研究論文が，「Front Cover Art」に選ばれました。

2022年06月08日掲載

アメリカ化学会（ACS）の学術雑誌Organic Lettersに掲載した柴田研究室の丸野晃暉（当時，工学専攻，博士前期課程2年），羽田謙志郎（工学専攻，博士前期課程1年）らの研究論文「Synthesis of Pyridine-SF₄-Isoxazolines Using the Functionality of trans-Tetrafluoro-λ⁶-sulfanyl Rodlike Linkers」が高く評価され，Organic Lettersの24巻21号（6月3日掲載）の「Front Cover Art」に選ばれました（図1）。

　（図１）

評価を受けた研究論文の内容は以下のようになります。テトラフルオロスルファニル（SF₄）部位は，フッ素に起因する強力な電子求引性や高い脂溶性を有しています。また，非共役的な直線構造の構築が可能であることから，パラ置換ベンゼンやアルキン，ビシクロ[1,1,1]ペンチルといった直線構造の代替としての利用が期待されており，新規機能性材料や医農薬品，ドラッグデザインへの応用が高く期待されています。しかし，その合成の難しさから，十分に研究が行われていません。今回柴田研究室では， SF₄部位を有するアルキンと，ニトロンとの位置選択的1,3-双極子環化付加反応により，「 Pyridine-SF₄-Isoxazoline」の合成に成功しました。本研究で合成した「Pyridine-SF₄-Isoxazoline」は，SF₄部位を介して2つのヘテロ環が直線状に連結した構造を有しており，新規機能性材料や医農薬品としての利用が高く期待されます（図2）。

　（図２）

柴田研究室

＜発表雑誌＞

　雑誌名：Organic Letters

　タイトル：Synthesis of Pyridine-SF₄-Isoxazolines Using the Functionality of trans-Tetrafluoro-λ⁶-sulfanyl Rodlike Linkers

　著者：Koki Maruno, Kenshiro Hada, Yuji Sumii, Osamu Nagata, Norio Shibata

　論文情報：DOI: 10.1021/acs.orglett.2c01046

この情報は研究支援課が提供しています。