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白井研究室の研究成果がGreen Chemistry誌の「Back Cover」および「Cover Profile」に選ばれました。

2022年05月24日掲載


白井研究室の開発した高発光効率を示すカーボンナノオニオンの合成及び生成メカニズムの解明に関する研究論文「Fabrication of ultra-bright carbon nano-onions via a one-step microwave pyrolysis of fish scale waste in seconds」が高く評価され、英国王立化学会が刊行する学術雑誌Green Chemistry誌(Impact Factor: 10.182)のBack CoverおよびCover Profileに選ばれました。

カーボンナノオニオンは数層のフラーレン構成された、特異な構造を持つカーボンナノ材料の一種類であり、無毒で資源量の豊富な元素で構成された材料かつ高い電気伝導率、熱変換率および比表面積を持つため、電気デバイス、太陽光発電、バイオイメージングおよび熱伝導デバイスなど様々な幅広い領域での応用が注目されています。本論文では、魚の鱗から抽出したコラーゲンを原料として、コラーゲン分子中のペプチド官能基およびその三重螺旋構造に形成されたマクロ双極子モーメントに起因する高いマイクロ波吸収性を利用し、コラーゲンを急速熱分解することにより、ワンステップで高結晶性を持つカーボンナノオニオンの合成に成功しました。また、マイクロ波分解中、カーボンナノオニオンの表面が水酸基やカルボンオキシル基に選択的に修飾され、可視光発光性および極性溶液中での高い分散性を発現させることに成功しました。得られたカーボンナノオニオンは、これまでに報告されている他手法により合成されたカーボンナノオニオンと比べ10倍以上高い発光効率を示し、現在世界最高の発光効率を発現します。また、異なる極性溶媒へ置換されても安定な光学特性および発光効率を示すほか、カーボンナノオニオンの水分散液を用いた液体塗布法により、フレキシブル薄膜やLEDの作製にも成功し、広い発光面積を持つ次世代固体光源および発光デバイスへの応用が期待されます。

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白井研究室

<掲載論文> Fabrication of ultra-bright carbon nano-onions via a one-step microwave pyrolysis of fish scale waste in seconds

<掲載内容>  Back Cover and Cover Profile

<発表雑誌>  Green Chemistry, 24, (2022) 3969-3976


この情報は研究支援課が提供しています。

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