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柴田研究室の研究成果がOrganic Chemistry Frontiers 誌のFront Cover Pictureで紹介されました

Research

研究・産学官連携

2018年3月 5日掲載


柴田研究室が発表した論文「Synthesis of pyridine trans-tetrafluoro-λ6-sulfane derivatives via radical addition」が高評価され、Organic Chemistry Frontiers 20185巻の表紙を飾りました。

テトラフルオロスルファニル基 (SF4) は、超原子価の硫黄の官能基であり、4つのフッ素に加え、2つの共有結合を有する構造の官能基です。SF4基はフッ素の立体配置によってシス型、 トランス型の二つの構造異性体が存在し、 トランス型ではフッ素以外の2つの結合が約180 °Cに並ぶため、分子の中に直線型の構造を作り出すことができます。そのため、SF4基を分子骨格に組み込むことで、フッ素の特性と直線構造を有する化合物群の構築が可能となります。今回柴田研究室は、ピリジン環とSF4基が結合したアルケニルクロリド類の合成方法の検討を行いました。

当研究室で開発した手法を用いることで、反応基質となるピリジン-SF4Cl類を合成しました。次に、ラジカル付加を検討した結果、Et3Bを用いる条件で、種々のアルキン類・アルケン類と付加反応できることがわかり、27種のトランス型のSF4基を有する生成物を得ることに成功しました。得られた生成物は更なる化学変換が可能であり、今後さらに研究の発展が期待されます。図.JPG


柴田研究室

<掲載論文>

<Front Cover> 



<発表雑誌>
雑誌名 :Organic Chemistry Frontiers
タイトル:Synthesis of pyridine trans-tetrafluoro-λ6-sulfane derivatives
     via radical addition
著者  :Prajwalita Das, Masahiro Takada, Etsuko Tokunaga,
     Norimichi Saito and Norio Shibata

論文情報:DOI: 10.1039/C7QO00994A


この情報は研究支援課が提供しています。