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柴田研究室の研究成果が,ChemistryOpen 誌の表紙「Cover Picture」および「Cover Profile」に掲載されました。

2019年03月18日掲載


研究論文「Gas/Liquid-Phase Micro-Flow Trifluoromethylation using Fluoroform: Trifluoromethylation of Aldehydes, Ketones, Chalcones, and N-Sulfinylimine」が高く評価されChemistryOpen誌2019年4月号の表紙を飾り,研究室が写真入りで「Cover Profile」に掲載されました。

トリフルオロメチル基(CF3)は,数多くある含フッ素官能基の中でも特に高い電子求引性や脂溶性を有しているため,医薬や農薬,機能性材料の開発に繋がる重要な研究分野とされています。しかし,工業的な生産を志向した場合にはトリフルオロメチル化試薬が高価なため,コスト面での課題がありました。一方で,フルオロホルム(CF3H,フロン23)は,テフロン等のフッ素樹脂を生産する際の副生成物として毎年多量に産出されていますが,二酸化炭素の11,700倍という強力な温室効果ガスです。また,焼却やプラズマ処理という生産性のない処理法が行われているのが現状です。

そこで,フルオロホルムは安価なCF3源として注目されており,近年多くの報告がなされています。しかし,これらの報告で行われてきた試験管やフラスコを用いた方法(バッチ法)では,工業生産スケールへのスケールアップには適していませんでした。

今回私達は,マイクロフロー法と呼ばれる方法を用いることで,大量合成への応用が可能な手法を開発しました。本手法は,フルオロホルムを他の試薬と共に細い管の中に流すだけで目的の化合物が得られます。また,反応時間もバッチ法に比べて大幅に短縮されているため,装置の並列化により短時間に大量の合成が可能です。今回の報告では,抗HIV薬などの様々な医薬品の合成中間体の合成への応用も行っています。今後は,更なる生理活性物質への応用が期待されます。

柴田研究室

<掲載論文> ChemistryOpen

<掲載内容> Cover Picture Cover Profile

<発表雑誌>
雑誌名 :ChemistryOpen
タイトル:Gas/Liquid-Phase Micro-Flow Trifluoromethylation using Fluoroform: Trifluoromethylation of Aldehydes, Ketones, Chalcones, and N-Sulfinylimine
著  者:Kazuki Hirano, Satoshi Gondo, Nagender Punna, Etsuko Tokunaga, Prof. Dr. Norio Shibata
論文情報: DOI: 10.1002/open.201800286


この情報は研究支援課が提供しています。

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