固体内酸化物イオンの酸化還元によるリチウムイオン蓄電池の高容量化実現につながる正極材料の発見
News&Topics
カテゴリ:プレスリリース|2016年12月26日掲載
今回の共同研究では中山教授らが量子力学計算による材料シミュレーションを担当し、藪内准教授らのグループによって計測された実験的データと比較検討することで、酸化物イオンのレドックス反応が可能となる結晶構造的条件を提案しました。論文内容の詳細は東京電機大学から発表されたプレスリリースをご覧ください。
(東京電機大学プレスリリース : http://web.dendai.ac.jp/news/20161224-01.html)
中山教授のコメント
『従来の電池材料の設計指針を大きく変えるといわれる酸化物イオンの固相レドックス反応を利用した電池は、その反応の発生条件が解明されておらず、材料開発が半ば運任せになっていました。そのため、世界的に反応機構解明を目指した競争が繰り広げられてきましたが、今回、本学で行われた量子力学計算と東京電機大・藪内グループを中心とした実験的研究を統合した成果が新たな反応機構提案に結びついたことは、この分野の研究・開発を加速するものとして期待しています。
この論文には本学の大学院生である、椎葉寛将君(当時:質工学専攻博士後期課程3年)向井貴大君(物質工学専攻博士前期課程1年)、橋本侑君(物質工学専攻博士前期課程2年)も大きな貢献をしてくれました。次世代のわが国の材料産業を担う彼らが本研究に欠くことのできない存在として頑張ってくれたことを嬉しく思います。
今回の研究成果は新型電池の反応機構の解明であり、社会に貢献する新しい電池材料の創生とその電池利用はこれからの課題です。加速する国際的な電池材料開発競争の中で、独自の材料開発を行い、わが国の産業発展に寄与していきたいと思います。』
Nature Communication誌 : http://www.nature.com/articles/ncomms13814
室温で強磁性・強誘電性が共存した物質を実現―低消費電力・超高密度磁気メモリー開発に道― 大府市にて捜索訓練で認知症高齢者徘徊見守りシステムを実証