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新規固体触媒で実現する革新的なCFRPリサイクル技術 ― 低温・短時間で高品質炭素繊維を回収、持続可能な資源循環と高機能材料創製に貢献 ―

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カテゴリ:プレスリリース|2026年5月 7日掲載


発表のポイント  

●    本研究グループで開発した活性水酸アパタイト(*1)系酸化触媒を用いることで、低温・短時間で炭素繊維強化プラスチック(CFRP)(*2)の樹脂部分のみを酸化分解除去し、炭素繊維をダメージなく回収する技術開発に成功
●    新規固体触媒(*3)により、無溶媒・低環境負荷の革新的リサイクルプロセスを開発
●    CFRP廃材の高付加価値再利用により、持続可能な材料利用へ貢献できる資源循環と高機能材料創製をつなぐ新技術として期待

概要

名古屋工業大学生命・応用化学類の白井孝教授、辛韵子特任准教授、後藤舞氏(研究当時:工学部生命・応用化学科)らの研究グループは、固体触媒を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の新規低温リサイクル技術を開発しました(図1)。本研究では、独自に開発した活性水酸アパタイトと多結晶白金ナノ粒子(*4)を固体触媒として用いることで、エポキシ樹脂のみを選択的に分解し、炭素繊維にダメージを与えることなく高品質で回収する技術開発に成功しました。

本手法は、400℃以下・20分以内という低温・短時間条件下で進行し、有機溶媒を一切使用しない環境調和型プロセスである点に特徴があります。また、二段階の熱分解プロセスにより、樹脂成分を完全に酸化分解させると同時に、炭素繊維の構造や物性を保持したまま再資源化できることを明らかにしました。さらに、固体触媒を活用した低環境負荷プロセスとして、今後の持続可能な材料設計およびグリーンケミストリーの発展にも寄与することが期待されます。

本研究の詳細は、2026年4月9日(イギリス時間)に英国王立化学会の学術雑誌Green Chemistryに掲載されました。


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図1 本研究により開発された新規固体触媒を用いた革新的CFRPリサイクル技術

▶詳細(プレスリリース本文)はこちら

用語解説

(*1)活性水酸アパタイト
水酸アパタイトは、アパタイト構造を有するリン酸カルシウムの総称であり、化学量論型HApは化学式Ca10(PO4)6(OH)2の組成を持ち、Ca/P(CaとPのモル比)は1.67となります。様々な用途に用いられる機能性セラミックス材料として知られており、例えば優れた有機親和性、高い吸着能およびイオン交換能を利用した、人工骨・人工歯根といったバイオセラミックス、高速液体クロマトグラフィー用充填剤、除タンパク材、抗菌剤担体などに広く利用されています。
本研究では、Ca/P比や表面酸塩基特性等を制御し、触媒としての活性を高めたHApを用いました。
(参考:https://www.nitech.ac.jp/news/press/2020/8465.html

(*2)炭素繊維強化プラスチック(CFRP)
軽くて強い炭素繊維を樹脂で固めた複合材料です。高い強度と剛性を持ちながら軽量で、耐食性や耐疲労性にも優れています。そのため航空機や自動車、スポーツ用品などで広く利用されている先進的な材料です。

(*3)固体触媒
固体のまま化学反応を速める物質(触媒)で、主にその表面で反応が起こります。触媒自体はほとんど変化せず繰り返し使え、分離が容易なため工業的に広く利用されます。

(*4)多結晶白金ナノ粒子
ナノメートルサイズの白金からなる触媒で、非常に大きな比表面積を持つため高い触媒活性を示します。反応物が表面に吸着しやすく、少量でも効率よく反応を促進できます。自動車の排ガス浄化や燃料電池などに利用され、環境・エネルギー分野で重要な役割を果たしています。本研究では、マイクロ波加熱による特異な反応を利用した多結晶構造を有する高活性白金ナノ粒子を用いました。

論文情報

論文名:Reclaiming carbon fibres: a green catalytic route for low-temperature CFRP recycling
著者名:Yunzi Xin, Mai Goto, and Takashi Shirai*(*責任著者)
掲載雑誌名:Green Chemistry (IF:9.1)
公表日:2026年4月9日(イギリス時間) 
URLhttps://doi.org/10.1039/D5GC06006K

お問い合わせ先

(研究に関すること)
名古屋工業大学 生命・応用化学類
教授 白井 孝
TEL:052-735-7536   E-mail:shirai[at]nitech.ac.jp

(広報に関すること)
名古屋工業大学企画広報課
TEL:052-735-5647   E-mail:pr[at]adm.nitech.ac.jp

*それぞれ[at]を@に置換してください。