窒化ガリウム系ヘテロエピタキシャル研究所
Research
研究・産学官連携
参画機関
非公開
設置期間
2022年4月1日~
2027年3月31日
代表研究者
ながれ領域・教授
三好実人
研究者一覧
- 三好実人:研究計画立案、総括
- 久保俊晴:プロセス開発及びMOS界面の評価
- 江川孝志:研究計画立案、総括の補助
- 田中光浩:研究成果の取りまとめ
- 岡本晴孝:クリーンルームの管理・運営
- 藤田紘空:結晶成長及び評価
- Pradip Dalapati:デバイス試作及び特性評価
研究テーマの概要
現在、普及しているSiパワーデバイスは性能限界に達しているため、Siに代わる新しいパワーデバイス用の半導体が求められており、SiCやGaNなどが注目されている。しかし、SiCは放熱性は高いが大口径化・高品質化が困難でありさらに高価格という問題を抱えている。また、材料の物性値からパワーデバイスとしての性能指数を考慮するとGaN≫SiC≫Si(Siで規格化すると650:110:1)の順となり、圧倒的にGaNがパワーデバイス用半導体材料として大きな可能性を秘めている。
一般的に、GaN系半導体は材質の異なる基板上に形成され、基板としてサファイアが用いられている。サファイアは熱伝導率が低いという欠点を持ち、大口径化・高品質化が困難でありさらに高価格という問題がある。Siは大口径・高品質・良好な放熱性を有しパワーデバイス用基板として優れており、ヘテロエピタキシャル技術を用いてSi基板上へのGaN系半導体(GaN/Si)の結晶成長が行われている。
本研究では、このような特徴を有する高品質GaN/Si半導体を大口径(6インチ径以上)・放熱性に優れたSi基板上に結晶成長させるための量産型有機金属気相成長(MOCVD)装置の開発、GaN/Siパワーデバイスのプロセス開発を行い、産学官連携の強化を行うことを目的とし、下記の項目を行う。
- 現有のMOCVD装置を用いて、物性定数の異なる大口径(6インチ径以上)Si基板上へGaN系半導体を成長させ、反り、ピット密度、パーティクル密度、X線回折装置を用いた結晶評価を行う。
- 成長したaN/Siのピット及びパーティクルの発生原因を特定する。
- ノーマリオフを実現するためのドライエッチングやMOS界面の形成技術を開発する。
- ピット及びパーティクルの発生を抑制した反応炉の開発を行う。
- AlGaN/GaNヘテロ構造を用いたAlGaN/GaN HEMTの省エネ型パワーデバイスを試作し、電流-電圧測定からデバイスの耐圧特性の評価を行う。
- 改造した反応炉を用いてGaN/Siの成長を行い、その効果を実証する。
- AlGaN/GaN HEMTの超低損失パワーデバイスを試作し、電流コラプスの低減、耐圧の改善、ノーマリーオフ特性の実現を行う。
- 試作したデバイスの耐圧、スイッチング特性、オン抵抗、信頼性に関する評価を行い、結晶成長及びプロセスを再検討することで量産型MOCVD装置へのフィードバックを行う。
お問い合わせ先
お問い合わせ先 | 三好実人 |
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miyoshi.makoto 上記の後に「@nitech.ac.jp」を補完してください。 |