視覚再生のための遺伝子治療薬に関するオープンイノベーション研究目標達成
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カテゴリ:プレスリリース|2023年7月14日掲載
名古屋工業大学大学院工学研究科 工学専攻(生命・応用化学領域)の神取 秀樹 特別教授(オプトバイオテクノロジー研究センター長)と角田 聡 特任准教授は、OiDE*1 OptoEye(オイデ オプトアイ)株式会社(以下OptoEye)において、第一三共株式会社(以下第一三共)、三菱UFJキャピタル株式会社とともに視覚再生のための遺伝子治療薬に関するオープンイノベーション研究を2020年4月1日に開始し、このたび研究目標を達成しました。
OptoEyeでは、光応答性タンパク質*2(GtCCR4)の更なる性能向上及び遺伝子治療への応用可能性検証を行い、アンメットメディカルニーズが高い、網膜色素変性症*3により視力を失った患者に対する革新的な遺伝子治療薬の実用化に向けた研究目標を達成しました。
目標達成に伴い、第一三共はOptoEyeの株式を全て買い取り、今後は、第一三共が自らのプロジェクトとして開発に向けた研究を進めます。
関連リンク:
「OiDE ファンド5号案件 目標達成のお知らせ」
視力を失った方に対する革新的な遺伝子治療薬の実用化を目指すオープンイノベーション研究を開始します
*1 OiDE(Open innovation for the Development of Emerging technologies)ファンド
三菱UFJキャピタルと第一三共等が出資して2013年に共同で始めたファンドで、三菱UFJキャピタルがジェネラルパートナーとして運営しています。
*2 光応答性タンパク質
光応答性タンパク質とは、光を受けると機能を発揮するタンパク質です。GtCCR4はその中でもロドプシンと呼ばれるタンパク質ファミリーに属しており、細胞において光を受けるとそのシグナルを伝達するイオンチャネルとして機能しています。イオンチャネル機能を持つタンパク質は、視神経細胞や中枢神経における情報伝達、筋収縮などに重要な役割を果たします。
*3 網膜色素変性症
網膜色素変性症は、網膜の視細胞に異常をきたす遺伝性かつ進行性の疾患で、国の指定難病です。病気の進行とともに、視野狭窄、色覚異常、視力低下などの QOLの低下を引き起こし、失明につながります。病気の原因遺伝子は複数種が明らかになっているものの、現状は遮光眼鏡やビタミンA内服等の対症療法のみで根本的治療方法はなく、新たな治療法が望まれています。
お問い合わせ先
研究に関すること
名古屋工業大学大学院工学研究科 工学専攻(生命・応用化学領域)
オプトバイオテクノロジー研究センター
特別教授 神取 秀樹
TEL:052-735-5207
E-mail:kandori[at]nitech.ac.jp
広報に関すること
名古屋工業大学 企画広報課
TEL:052-735-5647
Email:pr[at]adm.nitech.ac.jp
*[at]を@に置換してください。
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