国立大学法人名古屋工業大学

文字サイズ
検索

News&Topics一覧

ホーム > News&Topics一覧 > プレスリリース:徳田恵一教授が音声技術に関する世界最高の学術賞 「IEEEジェームス・L・フラナガン賞」を受賞

徳田恵一教授が音声技術に関する世界最高の学術賞 「IEEEジェームス・L・フラナガン賞」を受賞

カテゴリ:プレスリリース|2024年04月30日掲載


概要

 名古屋工業大学大学院工学研究科工学専攻(情報工学領域)の徳田恵一教授が2024 IEEE James L. Flanagan Speech and Audio Processing Awardを授与されました。長年にわたる音声合成および音声信号処理に関する先駆的な貢献が認められたものです。授与式は、2024414日~19日に韓国ソウルで開催された国際会議 2024 IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal ProcessingICASSP 2024)にて行われました。
 IEEE Technical Field Awards (TFAs) は、世界最大の電気情報系の国際学会であるIEEEが関与する科学技術分野の最高の学術賞で、特にIEEE James L. Flanagan Speech and Audio Processing Awardは、音声・オーディオ技術分野において顕著な業績をあげた研究者・技術者に授与されます。著名な日本人では、江崎玲於奈氏、赤崎勇氏、中村修二氏などのノーベル賞受賞者もIEEETechnical Field Awardを受賞しています。

press_tokuda.jpg

贈呈式の様子

研究の背景・内容・成果

 音声合成の基本問題は、任意のテキストに対応する音声を生成することです。1990年代には、文字ごとに音声波形をつなぎ合わせる方法が主として用いられていましたが、徳田教授は、統計的な生成モデルを用いた「学習」により、音声を生成する新しいアプローチを提唱し、任意の話者の声質、発話スタイル、感情表現等を自在に生成可能であることを示しました。更には、統計的な生成モデルに基づいて音声を生成するという新しい概念により当該研究分野全体にパラダイムシフトをもたらし、新しい研究分野として定着させるなど、関連分野の発展に多大な貢献をしてきました。徳田教授によるアプローチは、現在のほとんどの音声合成技術の礎・源流となっており、生成AIの脈絡で「AI音声合成」等と呼ばれる最先端のニューラル・ネットワーク・アプローチの原動力ともなっています。

社会的な意義

 AlexaSiriなどの音声アシスタンス、カーナビゲーション等、現在、一般に利用されている音声合成システムのほとんどは、徳田教授のアプローチの影響を直接あるいは間接的に受けており、多くの人々が日常的に利用するものとなっています。音声合成技術は、その他にも、視覚障害者の方のためのスクリーンリーダー等のアクセシビリティ応用、言語学習、ALSや喉頭がんなどで声を失った方の声の再建、館内アナウンス、災害時緊急放送、音声翻訳アプリ、歌声合成ソフトウェアなどでも広く利用されています。
 徳田教授は、音声信号処理技術に関係した業績により、紫綬褒章、文部科学大臣表彰科学技術賞、ISCA Medal for Scientific Achievement、電子情報通信学会業績賞、情報処理学会喜安記念業績賞、IEEE/電子情報通信学会等の各種論文賞などを受賞しています。また、IEEE FellowISCA Fellowの称号を授与されています。

※各社のサービス等の登録商標です。

お問い合わせ先

研究に関すること

名古屋工業大学大学院工学研究科工学専攻(情報工学領域)
教授 徳田 恵一
TEL: 052-735-5404
E-mail: tokuda.keiichi[at]nitech.ac.jp

広報に関すること

名古屋工業大学 企画広報課
TEL: 052-735-5647       
E-mail: pr[at]adm.nitech.ac.jp

*それぞれ[at]を@に置換してください。


ページトップへ