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「高齢者にやさしい都市とコミュニティに関するアンケート」の異文化適用可能性を実証 ―高齢化する市町を評価できる世界中で使える国際指標が完成―

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カテゴリ:プレスリリース|2026年10月 5日掲載


ポイント

●   10か国・4,648人のデータを用い、「高齢者にやさしい都市とコミュニティに関するアンケート(AFCCQ)」の異文化適用可能性(*1)を検証
● AFCCQの内容が異なる文化圏でも同じ意味合いと同じ尺度として理解され、各国を共通の基準で比較できることを実証
● AFCCQを用いた調査結果が、高齢者にやさしい環境づくりや、各国の高齢化政策に活用されることに期待

概要

名古屋工業大学産学官金連携機構の山田和正特任教授(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 開発・連携推進部 産学官連携推進室長を兼任)は、オランダのハーグ応用科学大学など国内外の研究者と共同で、「高齢者にやさしい都市とコミュニティに関するアンケート(AFCCQ)」が異なる文化圏でも共通の評価で利用できることを明らかにしました。

AFCCQは、オランダのハーグ応用科学大学のvan Hoof教授らが開発した23問の5段階評価で構成されるアンケートで、高齢者にやさしい都市の評価基準となる簡潔なツールです。本研究では、10か国(イタリア、ポーランド、北マケドニア、ルーマニア、オランダ、オーストラリア、トルコ、ロシア、日本、イスラエル)における計4,648人のアンケート調査参加者のデータを用いて、11か国の研究者が国際共同研究を行いました。

構造方程式モデリング(*2)により異文化適用可能性を検証した結果、各国で同じ意味合いと同じ尺度として理解され、共通の評価による国際比較が可能となりました。文化的背景の異なる多数の国の言語において「同じ意味合いと同じ尺度」による比較評価が可能となることを証明する本成果は、自然言語を扱う調査研究を実施する上で、重要な意義を持ちます。

なお、日本のデータには山田和正特任教授らの研究グループが報告した調査結果が用いられており、AFCCQの日本語版は世界保健機関(WHO)のウェブサイトで公開されています。

本成果は、各国で共通の基準による評価を可能とし、有意義な国際比較を促進することを裏付けるものです。今後、WHOなどの公的機関や各国の政策立案者が、高齢者にやさしい環境づくりや効果的な政策の立案・評価に活用することが期待されます。

本研究成果は、Springer Natureが刊行する学術誌Humanities and Social Sciences Communicationsに、2026年9月25日付でオンライン掲載されました。

表1. Dikkenらによる報告(2020)によって記述された元のモデルに対する各国のデータの適合状況

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・「Normed χ2」とは相対的カイ二乗検定のことで、構造方程式モデリングを用いた心理分析において、集計結果に出た差が、たまたま生じた偶然によるものであるのか、そうではないのかを統計的に検定することができ、値が5以下であることが目安とされています。
・「CFI」とは比較適合度指標のことで、独立したモデル(ここではDikkenらによって述べられたオランダでの原型モデル)を基準とした場合に、各国で算出されたモデルと比較し、どれだけデータの乖離度が改善されたかを示す指標であり、0から1までの数値になるようにして算出された値となっており、0.90以上が適合度の高い目安とされています。
・「TLI」とはタッカー・ルイス指標のことで、モデルのあてはまりの良さについての指標であり、0から1までの数値になるようにして算出された値となっており、高いあてはまりの良さは0.90以上が目安とされています。
・「SRMR」とは標準化残差平均平方のことで、高い適合度としては0.08以下が目安とされています。
・「RMSEA」とは近似の平均平方二乗誤差のことで、共分散構造分析の適合度を示す指標の一つであり、モデルの分布と真の分布との乖離を1自由度あたりの量としてモデルの複雑性を考慮に入れて表現した指標であり、高い適合度としては0.08以下が目安とされています。
・「共分散構造解析」とは、共分散と呼ばれる数値を利用して、複数の構成概念間の関係性やその程度をモデル化して検討することができる分析手法を指します。
・「共分散」とは、ある要素とある要素の相関の程度を表すもので、二つのデータ間における平均からの偏差の積の平均値を指します。
・「df」とは被験者の数から1を引いた値である自由度のことを指します。
・「90%CI」とは、90%の範囲において信頼できる区間のことを指します。

表2. 十カ国間におけるmeasurement invariance(測定不変性)の水準(単一モデル解)

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・「measurement invariance」とは測定不変性のことで、その意味は異なるグループ間でその尺度があらわす「1」の意味が同じであるかどうかを指します。
・「Configural (invariance)」とは、多集団確証的因子分析における構造方程式のモデルにおいて、方程式の潜在因子数が不変であるかどうかを示す指標です。
・「Metric (invariance)」とは、多集団確証的因子分析における構造方程式のモデルにおいて、方程式の因子負荷が不変であるかどうかを示す指標です。
・「Scalar (invariance)」とは、多集団確証的因子分析における構造方程式のモデルにおいて、方程式の切片が不変であるかどうかを示す指標です。
・「χ2」とはカイ二乗検定値のことであり、集計結果に出た差がはたして偶然か否かを統計的に検定した際の検定値であり、検定基準は被験者の数から1を引いた値である自由度(df)によって変化します。従って、χ2とdfが併記されています。
・「Normedχ2」とは相対的カイ二乗検定のことで、構造方程式モデリングを用いた心理分析において、集計結果に出た差が、たまたま生じた偶然によるものであるのか、そうではないのかを統計的に検定することができます。偶然性を排除するには、この値が5以下であることが目安とされています。
・「CFI」とは比較適合度指標のことで、ここでは単一モデルにおいてどれだけデータの乖離度が改善されたかを示す差分の指標であり、0から1までの数値になるようにして算出された値となっており、0.90以上が適合度の高い目安とされています。ここで「∆CFI」は差分を示します(「∆SRMR」や「∆RMSEA」も同様に差分を示します)。
・「SRMR」とは標準化残差平均平方のことで、高い適合度としては0.08以下が目安とされています。
・「RMSEA」とは近似の平均平方二乗誤差のことで、共分散構造分析の適合度を示す指標の一つであり、モデルの分布と真の分布との乖離を1自由度あたりの量としてモデルの複雑性を考慮に入れて表現した指標であり、高い適合度としては0.08以下が目安とされています。なお「共分散構造解析」とは、共分散と呼ばれる数値を利用して、複数の構成概念間の関係性やその程度をモデル化して検討することができる分析手法を指します。そして「共分散」とは、ある要素とある要素の相関の程度を表すもので、二つのデータ間における平均からの偏差の積の平均値を指します。
・「TLI」とはタッカー・ルイス指標のことで、モデルのあてはまりの良さについての指標であり、0から1までの数値になるようにして算出された値となっており、高いあてはまりの良さは0.90以上が目安とされています。
・「df」とは被験者の数から1を引いた値である自由度のことを指し、「90%CI」とは、90%の範囲において信頼できる区間のことを指します。


▶詳細(プレスリリース本文)はこちら

用語解説

(*1)異文化適用可能性
文化的な背景の異なる多数の国の言語において、「同じ意味合いと同じ尺度の大きさ」を証明する構造方程式モデリング(*2)による解明のこと。

(*2)構造方程式モデリング
直接観測できない潜在変数を導入して、その潜在変数や観測変数の間の因果関係を表現する構造方程式を構築し、推定することによって自然現象や社会現象を説明する統計モデルのこと。

論文情報

掲載雑誌名:Humanities and Social Sciences Communications
論文タイトル:The global validation and results of an assessment tool for the urban age-friendliness: A great leap forward towards an age-friendly world
著者: Jeroen Dikken, Michele Bertani, Daniel Pavlovski, Loredana Ivan, Jan Kazak, Jolanta Perek-Białas, Helen Barrie, Zülfünaz Özer, Liliya Ziganshina, Kazumasa Yamada, Liat Ayalon, Hannah Marston, Joost van Hoof*(*責任著者)
DOI:https://doi.org/10.1057/s41599-026-08924-z

参考

AFCCQ日本語版が掲載されているWHOのウェブサイト:
https://extranet.who.int/agefriendlyworld/afp/the-age-friendly-cities-and-communities-questionnaire-afccq/

お問い合わせ先

<研究に関すること>
名古屋工業大学 産学官金連携機構 特任教授 山田和正
TEL:052-735-5230  E-mail:yamada.kazumasa[at]nitech.ac.jp

または
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 
開発・連携推進部 産学官連携推進室長 兼
臨床研究支援部 知財管理支援室長 山田和正
           E-mail:kyamada[at]ncgg.go.jp

<広報に関すること>
名古屋工業大学 企画広報課
TEL:052-735-5647  E-mail:pr[at]adm.nitech.ac.jp

*それぞれ[at]を@に置換してください。