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神取研究室が創成した「キメラロドプシン」を用いた遺伝子治療薬の治験が始まりました

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カテゴリ:ニュース|2025年2月14日掲載


生命・応用化学類の神取秀樹研究室が創成した「キメラロドプシン」を用いた遺伝子治療薬の治験として、1例目の患者への投与が202526日、慶應義塾大学病院にて実施されました。

神取研究室では、分光学的手法を用いてロドプシンのメカニズムを研究する一方、様々な新機能の発見や創成も実現してきました。2011年、2014年には微生物ロドプシンを鋳型として動物ロドプシンの一部を導入すると、動物ロドプシンのようにGタンパク質を活性化できることを京都大学大学院理学研究科との共同研究により明らかにしました。

この微生物ロドプシンと動物ロドプシンのキメラタンパク質(キメラロドプシン)に慶應義塾大学医学部の研究チームが関心を持ち、光遺伝学技術の臨床応用による失明患者の視覚再生を目指して大学発ベンチャー企業、株式会社レストアビジョン(本社:東京都港区、代表取締役:堅田侑作)を201611月に設立しました。遺伝性網膜疾患の多くはいまだに予防法・治療法ともに確立されておらず、たとえば網膜色素変性症は、日本における失明原因上位の 指定難病であり、世界では数百万人規模の方が疾患に苦しんでいます。

本治療薬は視覚再生治療製剤として世界初の実用化を目指す試みであり、失明疾患に対する新たな治療法を提供する重要な一歩と位置付けられます。

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